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凡汁日誌

じわっとしみでる凡人の汁。食べ物、芝居関係が多くなるかと。

170119-20 りつのこと

りつが死んだ。15歳と11カ月。

2017年1月20日。午前10時の少し前。

みかちゃんの胸の中で、昨日から変化がなくて。

少し呼吸荒くなったかなって言うてたら

ペロって舌を出したので

みかちゃんがおやつを無理やり下にのせて

食べるかな

って言うてて

ふと胸を見たら

 

 

動いてなかった。

 

 

少しの間だきしめて

最後のあれやったのかなーとか話してたけど

みかちゃんが、号泣して

僕もないた。

 

ーーーー

 

19日の6時前くらいに

りつがにゃーって鳴いて呼んだ。

箱から出て

でも動かなくなってたみたいで。

 

トイレかと思ったけど水やったみたいで。

 

ああでも、一人で箱から出れたんやなーって思った。

 

朝も食べるし

水も飲むし

昨日よりよくなってるねーっていいながら

みかちゃんを仕事に送り出し

僕は仕事をしていた。

 

りつはたまに動いたり鳴いたりして

トイレかと水とかに連れて行って

これ、今日はいいけど明日からどうなんだろうか

なんて考えてた。

まあでも多分なんとかなるんだろうと思ってた。

 

思い返したら11時頃かな。

りつがなんか、すこししんどそうなんで

箱に入れた。

なんで箱に入れようなんて思ったんやろうか。

 

そのうち何分かに一回ニャーと鳴いて

足をピンとして倒れる、みたいなのを繰り返してて

何回かトイレかなとか餌なのかなとか水なのかなとか

試したけど飲んだら食べたりしないので

様子見てたら少しずつ弱ってるように見えて

慌てて澤村さんに電話をしたのが12時少し前。

そのときは実はもうあかんのではと思っていた。

だからかなり長い間放置してたことになる。

関心がなかったわけではない、というのは言い訳か。

でも本当に、そんなことになるとは思いもよらなかったんです。

 

かばんにりつを入れるときもほとんど反応なし。

みかちゃんにとりあえずメールだけして

走って病院に(ほとんど早歩きくらいやけど)。

 

覗いててもほとんど動かない。

 

せめてみかちゃんが来るまでは。

 

そればかりを考えていた。

 

病院に行くと箱から出されて一瞥するとすぐに奥に。

顔が威嚇してるみたいやったので生きてることを確認。

 

中でどうぞ、としばらくして言われて

処置室に入ったら酸素マスクをつけられている状態。

 

思わず、無理させんといてください

と言ってしまう。

え?!と問い直されて僕はうつむく。

 

どうしていいかわからず立ち尽くしていると

横にいてあげてください

と言われて

座って触りながらりつ、りつって声かける。

でもそれは命をひとつ救うにはあまりにも力のない声だった気がする。

 

この時もどちらかと言うと

みかちゃんに連絡がつかないことを気にしていたような気がする。

 

昨日メール届いてないって言うてたけど

タブレット持って行ってないので

SMSで連絡したら

割とすぐに電話をくれて

先生が状況を説明してくれた。

 

14時少し前くらいにミカちゃんが来た。

状況を見て泣きじゃくりながら

りつ、りつ、って大声で叫んで

だきしめて励ましてた。

 

 

僕は死にたくなった。

何もしてなかったことに。

 

僕が帰って来てしまったから

このことは起きたんじゃないか。

 

帰ってこなければ

多分朝から病院に預けて

いち早く状態の変化にも気付けて

りつは一命をとりとめたのではないか。

 

 

僕が病院に連れて行った時には

実はもう意識はなかったらしい。

もっと早く気付いてれば?あるいは?

 

自力の呼吸もほどなくしてしなくなり

たまり不随意運動の痙攣みたいになるくらいだったけど

みかちゃんはらが来る少し前には

自力呼吸をしていた時もあった。

 

 

みかちゃんが来てしばらくして

りつは全身の伸びのような動きや

走るような動きをした。

 

すごい、ってお医者さんは言った。

僕もすごいと思った。

 

 

みかちゃんはりつを絶対に死なせない

というか死ぬという選択肢がそもそも存在しなかった。

 

僕はずいぶん前からみかちゃんの電話に

ビクビクしていたし

なかじまこういちと話したときも

嫌な予感しかしないと思った。

僕がそうなる運命を引き寄せたのだ。

 

 

先生も看護師さんもみかちゃんも必死で酸素送りをやってくれた。

僕はりつの体をさすりながら

小さな声でりつの名を呼ぶだけ。

 

僕の言葉は届かないやろう。

予定の調整のことだけ考えていたんだから。

そんなことを考えてしまう自分が嫌だ。

死にたい。

しかも肝心な時には物事を見ようとしない。

それがりつを殺した。

 

6時ごろ自力呼吸を再開しないりつを前に

続けるかどうかを問われる。

みかちゃんはがんばったよね?って聞いて来たけど

なんとなく気持ちを整理する時間が必要じゃないかと思ったので、今日じゃなくてもいいのではないか、と僕は言った。

 

そして一度帰宅して8時前にもう一度来ていいですか?とみかちゃんが尋ね、了承され、帰宅する。

 

なにを話したか覚えてない。

みかちゃんがサスケと一緒に迎えに行くといって

僕はそういうのがありかどうかわからなかったから正直戸惑ったけど

受け入れることにした。

 

今回は最初から最後まで否定はしない、受け入れるか、考え方を提案し、待つだけにすることにしていた。

責任放棄。

 

帰宅して、少し何かを話した。

 

今日の昼からのこと

りつががんばってたこと

 

7時が過ぎて

ミカちゃんがサスケをカバンに入れて

三人で迎えにいった。

 

 

病院についてサスケの検査をお願いしている間に

僕が処置室に入るとりつが胸を上下させている。お医者さんと看護師さんは見ている。

 

りっちゃんいま、自力呼吸してますよ!

7時前からまた始めたんです!

 

ほっとして、少し焦った。

ここでお別れやと思っていたけどそうじゃない。

 

みかちゃんに呼吸のことを告げるとすごく喜んだ。

 

家に帰りたいんやね

 

多分、看護師さんが言ってくれたんやと思う。

 

あぁそうか、やっぱりここから意識を取り戻すってのはないんやな。

 

 

サスケの検査が終わってお会計を済ませて帰る直前にマスクを外してカバンに入れて急いで家に帰った。

帰り道で死なせるわけにはいかない。

僕がサスケを、みかちゃんがりつを抱いて帰った。

 

帰宅してサスケをだして

りつをだしてみかちゃんが抱きしめてた。

ペットボトルにお湯を入れてタオルに包んでカイロにした。

 

ずっとりつー、りつーって声をかけて

もう弛緩している首を立たせたり足を曲げようとしたりして

みかちゃんはずっと抱いてた。

 

僕は写真を撮ってた。電池が続く限り。

 

 

たまに抱くのをかわり

床に座ってたのをソファに移動したりしながら

朝まで抱いていた。

 

僕は不覚にも何度か寝てしまった。

 

みかちゃんも寝たとは言ってるけど

一晩中りつを抱えていた。

 

りつはときおり瞬きしたり

毛づくろいしたら、ゴロゴロと鳴くような声をだしたり

しっぽを動かしたりしていた。

 

反射なのか

不明の意識の向こう側で応えてくれようとしたのかはわからないけど。

 

 

突然頭を振ってキョトンとした顔をしながら

ニャアって鳴いて体を起こして抱えた手かかすり抜けて伸びをしてこっちをむいてもう一度ニャアって鳴いて餌を食べに行って戻って来て横に座って気持ちよさそうに目をつむる

 

 

そうなることを願っていた。

 

ーーーー

 

朝起きてもまだ息をしていた。

みかちゃんもりつを抱えていた。

 

お茶を入れたり、シャワーを浴びたり(僕は昨日も入ってなかった)して

状況は変わらなかった。

 

仕事のメールを2.3通送った。

 

二人でりつを見ていた。

ブラッシングしたり声をかけたり。

 

りつが舌をピンとのばして何回か出し入れした。

えさ食べるかな!

みかちゃんはペースト状のおやつを舌に塗ってあげる。

舌を出し入れしていた。

食べてるんちゃう?

みかちゃんは嬉しそうやった。

ほんまや!

言いながら僕は迷っていた。

でも迷っていても仕方ないので言った。

 

 

胸、動いてないわ。

 

 

ーーーー

 

みかちゃんが少し落ち着いて

りつを寝かせることにした。

寝かせたら口から濁った色の血のようなものが流れた。

また泣いた。

 

もう少し落ち着くのを待って葬儀の話をした。

澤村さんに聞こうと言うので

パンフレットは昨日もらっている旨を伝えた。

お会計の時に貰っていたのだ。

最低だ。

 

 

それでも澤村さんに報告の電話をして

二ヶ所教えて貰っていたうちの

宝塚の方に電話をして1時半ごろに来てもらうことに。

 

 

その間ネコ草や柩にいれる花を買いに行ったり

着替えたり少しご飯を食べたりしながら

りつの体を綺麗にしたら柩を飾ったり遺影を探してiPhoneを見ていたりした。

 

何度もないたりしながら。

 

迎えに来て貰って葬儀場まで行く間

りつのキレイにして貰った顔を見てた。

平凡に昔のことを思い出したりしていた。

 

葬儀にはサスケも連れて行った。

 

喪主はみかちゃんの名前。

多分、自分の名前がいいというより

僕の名前が嫌やったんちゃうかな。

僕も、みかちゃんの名前が相応しいと思う。

 

 

よく分からん読経が終わり事務手続きを終えて

火葬にはいる。

小一時間待って骨を拾って持って帰る。

キレイに残ってるって言われた。

骨壷一回り大きくても料金変わらないし

砕かなくても入れられるから変更どうですか?

と言われるままに変更し

キレイに収まったりつ。

 

小さな桐の箱を買って骨を少ししてたんやけど

東京に持って行っていいかどうか聞いたら嫌がられた。

 

4時半くらいに霊園を出る。雷と夕立があった後でとても、寒くなっていた。

帰宅したら6時ごろだった。

ご飯をつくって食べた。

 

36時間ぶりくらいにテレビをつけた。

 

サスケが、ニャアと鳴いていた。

 

みかちゃんは向こうを向いてタブレットを触っていた。

 

おこつは、りつが、好きだった座布団の上にある。

 

ごめんな、りつ。

やっぱりあの時早く気がついてたら違うかった気がします。

本当にごめん。ごめん。ごめん。

 

みかちゃんにも、ごめん。

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