ミクニヤナイハラプロジェクト 東京ノート160328
整理番号制自由席は嫌だ。
開場には間に合ってないと嫌なのでいきおい30分前につくことになる。
しかも今日は開演時間あたりからワラワラと人が来たので10分おしでスタート。
75分の芝居に40分待つのはどうかと思う。しかも遅れてきた人待ちというのはなんとも解せない。
ひたすら走る、叫ぶ。混沌とした演劇。
美術館ロビーで交わされる会話の断片からそれぞれの生活や人生、東京、世界で起こっていることを想像させるのではなく、それらが全て「戦争」をめぐるものに吸い込まれていく演出。しかしそれこそが今の東京の姿でもある。この場合の「戦争」は起こっているそれだけでなく、反戦運動も含まれそう。カウンターもまた個人の生活を吸い込んでいく。行進は軍靴であり反戦デモでもある。どちらも同じくらいの暴力。
その前ではいくら個人の人数を増やして描いて見せても無力。カメラオブスキュラを覗き込んでみたいものしか見ていないのは、スマホでみたいニュースしか見ないのと同じ。画家がエゴイスティクで社会から隔絶しているように、演劇や演劇を見る我々も同じ穴のムジナ。
そんな東京の姿を肯定も否定もせずにスケッチしたような芝居。東京嫌いの僕は、ありのままの東京を見せられてもにぶい気持ちにしかならない。まあでも、あれだけ走って意味ありそうなことをしてるのに主観のないスケッチのように感じられるのはすごい。
吉祥寺の街もなんだか人が意味もなくせかせかと狭い視野で動き回っているように感じた。
戯曲読んでないけど青年団版にはないセリフは結構あって、それはなんか説明的で少し嫌だった。
でも言葉に引っ張られてしまったのは僕のせいなので、ちゃんと向き合えば動きを体感できたかもしれない。もったいない……。
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